骨粗しょう症の治療に
ついて
骨粗しょう症の治療の流れ
骨粗しょう症の治療では、まず骨密度検査を行い、骨粗しょう症であるか診断し、症状の進行具合から投薬や注射などを使用して治療を行っていきます。
骨密度の測定と検査

X線骨密度測定装置GE社製
PRODIGYを導入した
高精度な検査
- 測定精度の優れた骨密度測定装置を設置し、骨粗しょう症の診断及び治療を行なっております。
- 検査部位は腰椎、大腿骨、前腕骨です。
- 被ばく量も少なく、安心していただけます。(胸部レントゲン撮影の1/3程度)
- 検査時間は、3~5分以内で行なえ、痛みもありません。
- 検査結果もわかりやすくご説明いたします。
骨密度の測定を行った場合、このような測定結果をお出ししております。
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腰椎
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大腿骨
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前腕骨

内服薬、注射治療
X線骨密度測定装置による検査を行った上で、必要に応じて血液検査を実施し、最適な治療法をご提案いたします。
内服薬による治療はもちろん、注射剤による治療にも積極的に取り組んでいます。
また、ご希望に応じて漢方を処方する事も出来ますので、ご希望の方はお気軽におっしゃってください。
注射・点滴剤の使用実績
(令和6年3月現在)
ボナロン点滴静注(ビスホスホネート薬)・・・ 594例
骨を壊す細胞の働きを抑えて、骨を壊れにくくします。
月1回、30分かけて点滴で投与します。
内服薬もありますが、投与時間の制限なく、確実に投与できます。
ボンビバ静注(ビスホスホネート薬)・・・ 276例
骨を壊す細胞の働きを抑えて、骨を壊れにくくします。
月1回の注射です。点滴よりも短時間で投与できます。
内服薬はありません。
フォルテオ(副甲状腺ホルモン剤)・・・ 140例
毎日1回、自己注射する皮下注射です。
骨形成を強力に促進し、新たな骨を作る作用があり、骨折を伴っている場合や骨密度が著しく低い場合に投与します。
テリボン(副甲状腺ホルモン剤)・・・ 304例(内テリボンオートインジェクター132件)
週1回、医療機関で注射する皮下注射タイプと、週2回、自己注射するタイプがある皮下注射です。
フォルテオと同様に、骨形成を促進します。
プラリア(抗RANKL抗体)・・・ 431例
6ヶ月に1回の皮下注射薬で、骨の成分を溶かす体内の働きを抑え、骨を壊れにくくします。
イベニティ(抗スクレロスチン抗体)・・・ 168例
月1回の皮下注射です。投与期間は12か月です。
骨形成を促進し、骨量の減少を抑える2つの作用があります。
骨密度を増やして骨折を予防します。
リクラスト(ビスホスホネート製剤)・・・ 90例
1年に1回、30分かけて点滴で投与します。
骨を壊す働きを抑え、骨が減っていくのを止めるお薬です。
注射したリクラストは骨としっかり結びつくため、1年に1回の注射で、効果を発揮します。
日常の生活習慣の見直し
骨粗しょう症は日常生活を注意する事で予防や治療の助けとなります。
「食事」、「運動」、「日光浴」を重視した日常生活を過ごしていただく事が大切です。
食生活の見直し

日常の食生活では、骨の主成分であるカルシウムを多く含んだ食べ物を積極的に食べるようにしましょう。
牛乳などの乳製品、骨ごと食べるような小魚、緑黄色野菜などがおすすめです。
また、利尿作用のあるものを摂取すると、せっかく摂取したカルシウムが流出してしまうので、コーヒー、紅茶、緑茶は飲みすぎないように注意してください。
適度な運動

骨は一度出来るとそのままのイメージがありますが、他の体の組織と同じように新陳代謝で絶えず作り替えられています。
適度な運動で骨に刺激を与えることで、新陳代謝を促し、新しい丈夫な骨が作られるようにする事が効果的です。
ウォーキングやゲートボール、スクワットなど、ご自身で出来る限りの無理のない範囲で運動する事は、骨を丈夫に保つためにとても大切です。
日光浴

牛乳や小魚でカルシウムを摂取する事で骨が生成されると思われがちですが、カルシウムを体内に吸収するためには、ビタミンDという栄養素が必要です。
ビタミンDは日光にあたる事で皮下に生成されるので、季節によっては熱中症などに注意しながら意識的に日光を浴びるようにしてください。
日光浴の時間の目安は30分を目安として、無理のない範囲で続けると効果的です。
骨粗しょう症は
早期発見が大切

早期発見のために
どうしたらいいの?
骨粗しょう症が病気として診断されるのは骨密度検診などで問診や骨量測定をしてはじめて・・・という場合が多いです。他の病気と一番違うのは『自覚症状がない』ことです。骨が痛むということなどはなく進行していき、何かの拍子に折れてしまうという点が一番やっかいな病気です。
すべての年齢に当てはまることですが、予防に勝る治療はありません。
半年~1年間の間隔をあけて骨量測定を行えば、実際にその間の自分の骨の変化が分かり「今回も引き続き骨量が減少しているか?」「今までの生活で大丈夫なのか?」を判断することができます。
各年代で骨の状態を把握することで、食生活や、運動などの生活上の注意を行った予防、あるいは早期治療がはじめられます。