手術

手術への取り組み

当院では日帰り手術を中心に、手術による治療も積極的に取り組んでいます。専門が手の外科・リウマチ外科のため、手に関連した手術は可能な範囲で対応しております。

全身麻酔が必要な手術の場合、麻酔科専門医(広田ペインクリニック 廣田明美)依頼にて、3日以内の入院でおこなっております。また、肩関節の専門医(堀内統)の応援により肩関節の関節鏡視下手術もおこなっております。

手術の流れ

  1. Step01診断・診察

    まずは医師による診察を受けていただきます。
    患者さまのご申告内容を基に診察を行い、必要に応じて各種必要な検査を行い、診断をいたします。

  2. Step02手術に対する意思確認

    診察結果を丁寧にご説明し、手術の必要性を分かりやすくご案内します。
    手術を行うメリットや危険性も併せて患者さまに分かりやすいよう丁寧にご説明し、患者さまご自身が手術を望まれるのかどうかを確認いたします。

  3. Step03手術のご説明と同意書へのご署名・押印

    具体的な手術の内容をご説明し、患者さまにご納得いただければ、同意書へのご署名とご捺印をいただきます。

  4. Step04術前検査

    手術を受ける前には、血液検査などをはじめ、必要な検査を行って、手術を受けていただく事が出来る状態であるかを確認します。

  5. Step05麻酔科医の診察

    手術には麻酔を使用します。
    麻酔の効き具合には個人差があるため、適切に麻酔をかけることが出来るよう、麻酔科医の診察を受けていただきます。

  6. Step06手術

    実際に手術を受けていただきます。

手術の実例

手関節の手術

腫れや痛みが持続して、手首が回しにくく日常の生活で不自由な場合に、滑膜切除が行われます。
なお滑膜切除術に加え、多くの場合に手関節の形成術を行います。
また、関節炎が進行し腱の断裂を引き起こし指が動かなくなった場合には、腱移植や腱移行術を併用します。
手のひら側のしびれが強く指が曲げにくくなった場合には、手のひら側の滑膜切除に加え、神経の剥離術を行うこともあります。

手の手術

リウマチにおける手指の症状は、腫れや痛みから始まって、関節破壊が進行するにつれて、不安定性を生じたり、著しい変形をきたす場合がありますが、症状は一人ひとり異なり、関節の部位・病態によってよりよい手術方法を考えます。

関節変形が軽度で腫れや痛みだけの症状の場合には、滑膜切除と弛んだ関節の袋を縫縮することや腱の走行を変える軟部組織の形成術により、関節の変形を防止します。関節が破壊され脱臼し、変形が著しい場合は、骨を切除しシリコンによる人工の関節を入れる方法が用いられます。
この場合も、ただ骨を切って人工物をいれるのではなく、それぞれの関節の袋や靭帯を縫い縮める操作も加えます。
シリコンインプラントを用いた関節形成術は、痛みの緩和と変形矯正が得られ、患者さまの満足度も高いことから、強く推奨されている手術方法です。
一方、親指や手指の第二関節では安定性を得るために関節固定術を行う場合もあります。

肘関節の手術

母指ボタン穴変形の手術

術前

術後

母指スワンネックの手術

術前

術前

シリコンインプラントを使用した
リウマチ手指手術

術前

術前

シリコン
インプラント

肘関節の痛みや腫れはしばしばみられ、動きの制限により顔まで手が届かないために食事や洗顔がしづらくなったとの声が聞かれます。また、手の変形に対しての手術をご希望される患者さまの中にも肘の運動制限が強い場合が多く、先に肘の手術を勧めることもあります。肘関節の手術は、一般的には早期に滑膜切除術、晩期には人工関節が行われ、成績も安定しています。

当院では、肘関節の痛みや腫れが継続する場合や、動きが悪くなり日常生活で支障をきたす場合には、まずは滑膜切除術を勧めています。肘の外側からの比較的小さい傷ですみ、手術後も早くからリハビリが可能です。術後、滑膜切除により痛みがなくなり、肩から重い感じが消えるとの声も聞かれます。また骨の変化が進行している場合であっても、剥離操作を加えることで、関節の動きは改善されるため滑膜切除でもある程度の効果は期待できると思います。

足趾の手術

リウマチでは、手指の変形ばかりでなく、足趾の変形もしばしばみられます。しかし足を診察する機会は意外と少なく、変形が進行し足の裏にタコができてから初めてその変形に気付くことも少なくありません。痛くて体重がかけられない、靴が履けないなどの声が聞かれます。
これに対しては古くから行われている脱臼した関節を切除する切除関節形成術が強く勧められています。

足の変形が強く、歩行がつらい患者さまには痛みの緩和のため、積極的に手術を勧めています。
変形がかなり強い場合であっても関節、腱の形成により、矯正は可能で普通の靴を履くこともできます。
第一足趾については、安定性を保つために関節破壊の程度によって人工関節を用いるか、関節固定を選択しています。

年度別治療実績